ガラス水槽から作る水辺の自然レイアウトテラリウム|自作13ステップ(ピュア☆アニマル流【前編】)
「グラステラリウムを買う」のではなく、ガラス水槽で“自然の一角”を切り出す。
この記事では、水場(浅い水たまり)を含む自然レイアウトを、迷わず作り切るための考え方と手順を、ステップでまとめます。(一部後編で)
💧 水場があるなら「排水の仕組み」から
🪵 流木と壁面で“自然感”が決まる

- 水漏れしない土台づくり(増し打ちシリコン/ドレネージ/排水ルート)
- 自然に見える“壁面・骨格”づくり(炭化コルク/流木固定)
- 土の考え方(保湿・通気・排水・栄養のバランス)

0. まず「完成の雰囲気」を1つ決める
いきなり材料を買うより先に、「どんな自然の一角を切り出したいか」を決めます。
YouTubeや写真を見て、好きな要素を3つだけメモしておくと、後半で迷いません(例:苔多め/流木が主役/水場は浅め等)。

- 水場の広さ(浅く小さくが安全/最初は“水たまり”推奨)
- 主役(流木/壁面/植物/生体…どれが主役か)
- 陰影(影ができる場所=苔や湿った表情が映える場所)
1. 水場があるなら「水を溜められる水槽」が絶対条件
水場を作るなら、シリコン接着で水を保持できるガラス水槽選びが必須です。
「新品だから大丈夫」ではなく、長期での水漏れリスクを先に潰しておくのが安心です。

- 底面と四隅の接着(シリコン)が割れていない/浮いていない
- 水を張れる高さ(浅い水場でも“水位”は出ます)
- 将来メンテしやすいか(手が入るか/道具が届くか)
2. 先に「排水ルート」を仕込む(ドレン無し水槽の保険)
ドレン(排水口)が無い水槽の場合、下に溜まった水を抜くルートがないと、湿度過多・カビ・腐敗の原因になります。
目立たない場所でOKなので、上から底まで通る“抜き管”(塩ビ管など)を仕込んでおくと、後から救われます。※特に水中ポンプを使用しない場合には必須です!

※ホースの先端が底の水面より下にあると抜きやすいです(サイフォン方式)。
3. 水漏れ対策:底面のシリコンは「増し打ち」してから始める
水場は“少し”でも水が溜まる構造です。
底面の四隅や接着部は、劣化すると水漏れが起きやすいので、シリコンを追加して水の逃げ道を作らない状態にしてから進めます。※新品の水槽だからこそ先にリスクを潰しておきましょう!
- 乾燥(硬化)を待つ:最低でも24時間、できれば余裕を見てしっかり。
- 換気:シリコンの硬化中は匂いが出るため、換気できる場所で。
- 水槽・水場用途に合うシリコンを選ぶ(用途が明記されたものが安心)。

4. ドレネージレイヤー:まず「水が溜まる層」を作る
水場があるレイアウトは、土が常にビショビショにならないように、下に水を逃がす層(ドレネージ)を作ります。
ピュア☆アニマル流の考え方はシンプルで、水は下に溜めて、上の土には影響させすぎない。
※水の溜まりやすいレイヤーとその上のソイルに間には空間が必用です。



- ハイドロボール:約3cm(水槽サイズや水場の面積で調整)
- メッシュ:網戸素材などでOK(底面より少し大きめに切る)
- ポイント:泥が下に落ちると機能が落ちるので、“泥止め”優先
5. 土づくり:保湿 × 通気 × 排水 × 栄養のバランス
土は「何を育てたいか」で最適解が変わりますが、自然レイアウトの基本は湿度を保ちつつ、腐らせないこと。
ベースはヤシガラなどで保湿性を作り、水苔で保持力を補い、赤玉・溶岩砂利・パイン材などで“水の抜け”を助ける考え方が組み立てやすいです。

- 保湿(ベース):ヤシガラ系(約60%)
- 保持(補助):水苔をミックス(20%)
- 排水(粒):赤玉・小粒溶岩石・パイン材など(約10%)
- 栄養:植物用土を少量ブレンド(植える植物に合わせて約10%)
6. 地形づくり:手前を低く、奥を高く(奥行きの作り方)
同じ素材でも、傾斜を付けるだけで自然感が出ます。
植物を植えるなら、根が入る分だけ厚みも確保しつつ、手前は浅め、奥は高めにするのが作りやすいです。

7. 流木で“骨格”を作る(固定は「見えない」ように)
自然レイアウトは、流木の「骨格」で印象が決まります。
まずは何本か用意して、水槽に当てながら影と抜け(空間)を作ります。流木が多すぎて暗くなる場合は、光が当たる場所と影の場所を意図的に分けると、後で苔や植物の置き場が作りやすくなります。


8. 壁面を自然化:炭化コルク+シリコン+ヤシガラで“岩肌”に寄せる
ガラス面が見えると「水槽の中」感が出ます。そこで、壁面を自然素材で埋めて“自然界の一部分”に寄せます。
手間はかかりますが、仕上がりが一気に変わるパートです。


- 炭化コルクを大小に砕く(自然の壁は均一じゃない)
- ガラス面にシリコンで立体的に貼る(最初は隙間が残ってOK)
- 隙間にシリコンを追加し、ヤシガラ等を押し当てて埋める
- 硬化を待って、次の層へ(これを繰り返す)
9. 仕上げ前に一度「軽くシャワー」→ 下に溜まった水を抜く
壁面づくりは、どうしても粉や泥が出ます。
最後に一度、全体を軽く流して汚れを落とし、ドレネージ層に溜まった泥水を排水します(2で仕込んだ抜き管がここで効きます)。

- 水が溜まりすぎていない(必要なら完全に排水)
- ガラス面に水や泥が残っていない(完全に拭き取り)※水垢防止
- シリコン硬化が不十分な箇所がない(匂いが残るなら待つ)
10. 植栽:大きい順に“根を落ち着かせて”仕上げる
植栽は、最初から完璧を狙うより、「骨格→面(苔)→密度」の順で積み上げると失敗が減ります。
まずは大きめの植物で“景色の芯”を作り、最後に苔で自然感をまとめます。※植物の成長は目を見張る勢いがありますが、最低でも植え込みから3ヶ月は辛抱強く待つと後が楽になります。



- いきなり詰め込みすぎない:最初は“育てる余白”を残すと、後から微調整がラクです。
- 根が固定されるまでは触りすぎない:植え替えを繰り返すと弱りやすいです。
- 苔は“乾かしすぎない”:霧吹きやミスティングで表面を整え、乾湿の差を作りすぎないようにします。
11. 照明:光と影を作ると“自然感”が一気に上がる
自然レイアウトは、明るい場所だけで育てるより、光と影のコントラストがある方が“景色”になります。
流木や壁面が影を作り、苔や小型の植物が“影の質感”を埋めてくれます。

- 点灯時間:まずは8〜10時間から(苔や植物の反応を見て微調整)
- 影を残す:全面を同じ明るさにしない方が“自然の深み”が出ます
- 水場は藻が出やすい:強すぎる照明は水面の緑化を早めるので注意
12. ミスト・湿度:増やすより「回す」
湿度は高いほど良いわけではなく、“換気とセット”で回っている状態が長持ちします。
霧吹き・ミストは、まず少なめに始めて、苔や植物の乾き方を見ながら増やすと安定します。


13. 立ち上げ管理:最初の2週間は“点検”が仕事
レイアウトは完成しても、環境はすぐに安定しません。
最初は水位・匂い・カビ・植物の張りをチェックしながら、排水と換気で整えます。

- 水が溜まりすぎる:抜き管からホースで抜く/水場の面積を少し減らす
- カビが出る:ミストを減らす/換気を増やす/光が当たりにくい場所を見直す
- 苔が茶色くなる:乾かしすぎ/湿度が高すぎのことが多いので調整する
作り方を相談する(気軽にどうぞ)
「この水槽サイズで水場は作れる?」「排水ルートはどこに隠す?」「素材の組み合わせが不安…」など、ちょっとした質問から大歓迎です。
作り始める前に“つまずきポイント”を先に潰して、楽しく“景色”を作りましょう。
ワークショップでも体験できます(このLPブログで紹介済み)
「文章だけだと不安」「一回、手順を身体で覚えたい」そんな方には、当店のテラリウム制作ワークショップもおすすめです。
過去にこのLPブログでご紹介した内容の流れで、材料選び→下地作り→レイアウトの組み方を“その場で”体験できます。
初めての方ほど、コツのつかみ方が早いので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
店頭でもオンラインでも、「この水槽サイズで水場は作れる?」「排水ルートはどこに隠す?」など、ちょっとした質問から大歓迎です。
迷ったところで止めずに、気軽にご相談ください。






